蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
卓海はにこりと笑い、休憩スペースを指差す。
・・・仕事のことだろうか。
と思った絢乃は、そのままついていった。
やがて休憩スペースに入った卓海は、くるりと絢乃を振り返り、絢乃を見下ろした。
「・・・この間、お前に言われたことだけどな」
「・・・っ・・・」
「確かに、このまま続けても意味はねぇからな。・・・お前の言うとおり、終わりにしてやるよ。お勤めご苦労さん」
卓海の言葉に、絢乃は目を見開いた。
卓海はいつもと変わらない、黒い性悪な笑みを浮かべている。
けれど、その瞳にいつもと違う感情が浮かんでいることに気付き、絢乃は眉を顰めた。
・・・鋭さと、切なさと・・・狂気のような光。
内心で息を飲む絢乃に、卓海はうっすらと笑って続ける。