蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
一時間後。
浅草に着いた二人は、洋食店に入った。
洋食店はテーブル席が8つほどあり、あとはカウンター席になっている。
あまり大きくはない店だが、既にテーブルのほとんどが埋まっている。
どうやらけっこう人気のある店のようだ。
二人は店の看板メニューであるグラタンを注文した。
さすが看板メニューなだけはあり、グラタンはとても美味しかった。
ひょっとしたら、絢乃がこれまで店で食べたグラタンの中で一番美味しかったかもしれない。
・・・そして、昼食の後。
二人は浅草の参道を少し歩いた後、車へと戻った。
どうやら今日はランチのみらしい。
いつもはこのまま次の場所へ向かうのだが・・・。
ちょっと寂しい、と内心で思った絢乃に、卓海は唇の端に笑みを浮かべて言う。