蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~



「・・・なんだ、怖いのか、お前?」

「・・・っ!」

「じゃあちょうどいいな。・・・道具が持ち主に逆らったらどうなるのか。その躰でじっくりと覚え込め」


卓海の手が服の合わせ目にかかり、強引に開いていく。

絢乃は蒼白になりながら、卓海の手を止めようとした。

しかし卓海の手の力は強く、あっという間に服を脱がされていく。

───どんなに足掻いても敵わない、男の力。

絢乃は恐怖に戦慄きながら、必死で叫んだ。


「加納さん、どうして・・・っ」

「・・・言っただろ。一度手にした道具は、壊れるまで使うってね」


卓海はぐいと絢乃の腰を抱き寄せ、再び口づけた。

・・・憤りを叩きつけるかのような、激しい口づけ。

二人の唇の間から、甘い蜜が零れ落ちる。

絢乃は頭がぼうっとしてくるのを感じた。

・・・なぜ卓海はこんなことをするのか。

わからない。けれど・・・



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