蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
───頭が、重い。
絢乃はふっと目を開けた。
・・・あれから、どれくらいの時間が過ぎたのか・・・。
ぼんやりと部屋の中を眺める絢乃の視線の先で、卓海がネクタイを締めている。
・・・大人の男の色気が漂う、その姿。
いつ見ても心惹かれてしまう、その姿・・・・。
「・・・なんだ、起きたのか?」
卓海はつかつかとベッドに近づき、くいと絢乃の顎を掴んだ。
唇の端でニヤッと笑い、じっと絢乃を見つめる。
・・・その、黒い微笑み。
絢乃はなぜか背筋がぞっとし、背を強張らせた。
「寝てるなら鍵をかけてそのまま行こうと思ったが・・・・」
「・・・・っ」
「あいにくだったな。起きちまった自分を恨め」
卓海は言い、ベッドのサイドボードから何やらチューブのようなものを取り出した。
手早くそれを指先に取り、絢乃の足を大きく広げる。