蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
絢乃は卓海の目を見つめ、言った。
・・・どう言えば伝わるのか、わからない。
けれど、これ以上、卓海に自分の心を傷つけてほしくない。
じっと見つめる絢乃を、卓海は息を飲んで見つめていた。
・・・その瞳によぎる、切ない光。
やがて卓海はそっと絢乃を抱き寄せ、その肩に額を埋めた。
「絢乃・・・っ」
「・・・加納さん・・・」
「壊れたくなければ、オレのものになるって言え」
───魂を吐き出すかのような、言葉。
肩に押し付けられる、ぬくもり。
絢乃は初めて卓海の心に触れた気がした。
・・・絢乃を求める、切ないまでの愛情。
胸の奥から、温かいものが溢れ出す。
・・・この人が、愛おしい。
誰よりも、何よりも。