蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
絢乃は目を細め、震える声で、しかしはっきりと言った。
「わかりました。・・・私、加納さんのものになります」
「・・・絢乃・・・っ」
「加納さんだけのものです。だから・・・・」
───と、言いかけた瞬間。
絢乃は物凄い力で抱きしめられた。
絢乃の全てを奪おうとするような、その力強さ。
───絶対に離さない、とでもいうかのように。
卓海は絢乃の髪に頬を押し付け、掠れた声で囁く。
その震える声に、腕の力強さに、甘い香りに・・・身も心も溶けていく。
「これでお前は、オレのものだ。覚悟しとけよ。一生、手放さないからな」
「加納さん・・・」
「───好きだ、お前が。こんなにも、気が狂いそうなほど・・・っ」
言葉とともに、優しいキスが降ってくる。
・・・これまでで一番、優しい口づけ。
唇から流れ込む、熱く切ない恋情。
絢乃はそっと目を閉じ、卓海の手にその身を委ねた・・・。