蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
4.有言実行の男
───翌日。
絢乃は卓海に連れられ、北千住の駅前に来ていた。
これが北千住かー、ときょろきょろ辺りを見回す絢乃の手を、卓海がグイと引く。
「まずは雑貨屋だ。行くぞ」
「は、はい・・・」
二人は駅ビルの中にある雑貨屋へと入った。
何を買うんだろう、と首を傾げる絢乃の手を引き、卓海は奥の食器コーナーへとスタスタ歩いていく。
やがて卓海は食器の棚の前で足を止めた。
「お前が使う食器だ。好きなのを選べ」
「・・・へっ?」
と、間抜けな声を出した絢乃に。
卓海は低い声で言った。
「いいから早く選べ。まだ買うものはいろいろあるんだ」
「・・・は、はい・・・」