蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~




絢乃は慌てて食器を選んだ。

卓海に言われ、箸などのカトラリーも選んでいく。

その後、絢乃は卓海に連れられ、次は服のコーナーへと移動した。


「とりあえず一週間分の服を選べ。部屋着もだ」

「・・・え、ええっ・・・」

「終わったら次はドラッグストアだ」


卓海は次々と絢乃の身の回りの物を買っていく。

絢乃は服屋を出たところで、卓海に聞いてみた。


「あの、加納さん。どうして・・・」

「どうしてって。一緒に住むなら最低限の物は必要だろ?」


卓海は何でもないことのようにさらっという。

しかし絢乃は、卓海の言葉に度肝を抜かれ、仰け反った。


─── 一緒に住む、って・・・。


突然のことに、頭の整理が追い付かない。

ぽかんとした絢乃を見下ろし、卓海はうっすらと笑って言う。



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