蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
「『一生手放さない』って言っただろ。忘れたのか、お前?」
「・・・で、でも・・・っ」
「オレは言ったことは必ず実行するタイプなんだよ。・・・というわけでお前は今日からオレと一緒に暮らす。これはもう決定事項だ。文句は受け付けない」
決定事項って・・・。
絢乃はこの男が鬼であったことを思いだし、血の気が引いていくのを感じた。
いや、でも、しかし・・・。
混乱する絢乃に、卓海は思い出したように言う。
「あぁ、お前には言ってなかったが、慧にはもう連絡済みだ」
「え、ええっ!?」
「まるで納得してる様子じゃなかったから、今日あたり、殴り込んでくるかもしれねぇな。虎挟みでも用意しとくか?」
卓海は楽しげに言う。
それを見、絢乃は内心で思った。
・・・やはり卓海は兄の友人だ。
青ざめた絢乃の肩をポンと叩き、卓海は言う。
「さ、行くぞ。次は地下だ」
「は、はい・・・」