蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
と言いつつも、卓海は楽しげに髪留めを一つずつ手に取り、絢乃の髪に当てる。
・・・やがて、10分後。
卓海が選んだのは、優美で落ち着いた雰囲気の、水玉模様のシュシュだった。
店を出た後、絢乃はさっそくそれを付けてみた。
「ありがとうございます、加納さん。・・・どうですか?」
「いいんじゃねぇの?」
「良かった~」
と言いながら笑った絢乃に。
卓海はニヤリと笑い、顔を近づける。
・・・その、黒い性悪な笑み。
思わずヒィと息を飲んだ絢乃に、卓海は小声で言う。
「・・・その髪飾り、毎日会社に付けてけ。絶対に外すなよ。わかったな?」
「・・・っ」
「返事は?」
「ハイ・・・」