蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
卓海の言葉に、絢乃は唖然とした。
・・・この件については、昨日、卓海に説明したはずだ。
しかし・・・。
まさか・・・。
青ざめる絢乃に、卓海はにこりと笑って言う。
───その、実に楽しげな笑み。
「明日、出社したら部長のところに報告に行くぞ。入籍は春頃の予定です、ってな」
「・・・は、はあっ!?」
「嘘から出た誠ってヤツだな。ま、ちょうどいいんじゃねぇの?」
卓海はくすくす笑いながら言う。
・・・しかし、絢乃にはわかる。
───卓海は、本気だ。