蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
───昼休み。
絢乃は指示された時間に合わせて席を取った。
今日は和風定食の日だ。
早めに並ばないとな~と思った時、社食の入り口の方から声がした。
「あぁ、いた。絢乃ちゃん」
いつもの優美で爽やかな笑みを浮かべ、卓海が絢乃のもとへと歩み寄ってくる。
・・・その、完璧な微笑み。
思わず引き込まれそうになった絢乃だったが、周りから針のような視線を感じ、絢乃はヒッと息を飲んだ。
見ると。
周りにいた女子社員達が、刺すような目で絢乃を見ている。
二人で暮らし始めてから、卓海は絢乃と昼食を取ることが増えた。
・・・というより、絢乃としか食事をしていない。
そして絢乃には、女子社員達から氷のような視線が向けられるようになった。
当然と言えば当然だ。
しかし問題は・・・。