蜜愛シンドローム ～ Trap of Takumi ～

その日の午後。

絢乃はRFPの資料をサーバにUPした後、メールボックスを確認していた。

絢乃のもとに届く仕事関係のメールは一日当たり20通ほどで、そのうち半数が外部企業からの宣伝メールだ。

迷惑メールというわけではないが、いちいち読むのは骨が折れる。

と、その中に卓海からのメールが混ざっていることに気付き、絢乃はそれをクリックした。

宛先などを見てみると、どうやら第二の課員宛てだ。

しかし絢乃のところにもBCCでこっそりと届いている。

内容を簡単に言うと・・・・。


年明けに、ドイツにあるグランツ本社より役員達が来日し、レセプションパーティを開催するらしい。

で、そのパーティの前座?としてグランツ・ジャパンの貿易システムのデモンストレーションを行うらしい。

なのでその準備をしておくように、とのこと。


「へぇ～・・・」


絢乃は思わず声を上げた。