蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
しかしなぜ、このメールが絢乃のもとにこっそりと届いているのか。
デモ用のデータベースを作っとけということだろうか。
よくわからないが・・・・。
絢乃はメールをチェックした後、パタンとノートパソコンを閉じ、席を立って休憩スペースへと向かった。
・・・朝から根詰めて資料を作っていたので、この辺で少し休憩しようか。
と思い、休憩スペースに入ったのだが・・・。
「・・・あら、秋月さん?」
横から声を掛けられ、絢乃は息を飲んだ。
・・・見ると。
香織が、剣呑な目でじーっと絢乃を見据えている。
その鋭い瞳に、絢乃はなぜか背筋がゾッとし息を飲んだ。
「ちょうど良かったわ。秋月さん、聞きたいことがあるの」
「・・・な、何?」
「卓海さんのことだけど」