蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
「いや、その。そういうことではなく・・・」
「そういうことだろうが」
「だからっ、その・・・・っ」
絢乃はあたふたと卓海を見た。
卓海は机に片肘をつき、楽しげにじーっと絢乃を見つめている。
・・・その、大人びた優しい微笑み。
前にはあまり見たことがなかった、穏やかで甘美な微笑みに、思わず胸がドキッとなる。
鬼な一面と、優しい一面。
そのギャップに、つい心惹かれてしまう。
きっと自分は、永遠にこの男に振り回されるのだろう。
・・・そんな気がした。