蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
2.レセプション
そして、年が明け・・・。
レセプションパーティの日。
絢乃は第二の課員達とともに、社用車で大阪へと向かっていた。
卓海は朝から一足先に現地入りし、今は会場の構成などを確認している。
表向き、絢乃はデータベースの担当として課員達に同行し、セッティングが終わった時点で急いで着替えてパーティ会場に入る算段になっている。
デモンストレーションは基本的に全て自動化されているので、一度セッティングしてしまえば特にすることはないはずだ。
ちなみに今日は他の課員達とともにパーティ会場の上のホテルに宿泊し、翌日に東京に戻る予定となっている。
後部座席に座り、窓の外を眺めていた絢乃に、隣に座った橋本さんが声をかける。
「ごめんね、秋月さん。第二の仕事なのに、付き合わせてしまって」
「気にしないでください。課長命令ですから」
「しかもパーティにも参加するって・・・秋月さんってひょっとして、ドイツ語話せるの?」
「イエ・・・」
絢乃はがくりと肩を落とした。
・・・そう、問題はそれだ。