蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
絢乃は慌ててテスト系のデータベースを確認した。
・・・テスト系には接続できるようだ。
とりあえずほっとする。
しかしテスト系にはテストで使ったごみデータなど、不要なデータが山のように入っている。
絢乃はごみデータの削除に取り掛かった。
これらをデモで見せるわけにはいかない。
絢乃の横で、橋本さんは持参したノートパソコンを開き、貿易システムの確認を行っている。
貿易システム側の接続設定はセキュリティ保持のため、貿易システムのプログラムに直に書きこまれている。
つまり、プログラムを確認しないと接続設定はわからないのだ。
しかもそれは暗号化されているため、解読にはそれなりの時間を要する。
・・・と、慌てて作業を始めた二人の後ろで。
ドアがキィと開き、香織が姿を見せた。
香織はちらりと絢乃を見、その唇に笑みを浮かべる。