蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
─── 三時間後。
二人はそれぞれノートパソコンを前に、頭を抱えていた。
既に時計は19:00を回り、夕飯代わりにとコンビニで買ってきた惣菜やらビールやらがテーブルの上に載っている。
既に勤務時間は過ぎているので、食事しながら調べ物をしても特に問題はないだろう。
というわけで、絢乃も梅酒ソーダの缶を片手にマウスをクリックしていた。
「・・・おかしいなー。なんで接続できないんだろ・・・」
「暗号が一部書き換わってるみたいだな・・・。昨日の時点では特に問題なかったのに、なんでなんだろ」
「そのプログラム、更新日時っていつになってます?」
「今日の午前中だね。しかし、一体誰が・・・。これは会社に帰ってから、プログラム管理システムで見てみないとわからないね」
橋本さんはうーんと首を捻りながら言う。
既にビールを2本ほど開けているが、その顔色はいつもと全く変わらない。
やがて橋本さんはマウスから手を離し、絢乃を見た。