蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
いや、聞かなかったわけではなく、あれには事情が・・・・
と言おうとした絢乃の唇に、卓海の唇が重なる。
・・・甘くて強引な、その唇。
甘く透明感のあるフゼアの香りに、頭が溶けそうになる。
卓海の舌に翻弄されながら、絢乃は必死に口を開こうとした。
「・・・ぁはっ、・・・ダメ・・・こんなところで・・・っ」
「まだ逃げようとしてんのか、お前?」
「だって・・・っ」
「誰にどう思われようが、関係ねぇよ。お前はオレの道具だ。どこでお前を抱こうが、オレの勝手だろ?」
卓海の手が絢乃のスーツの襟元に伸びる。
絢乃は反射的にビクッと体を固まらせた。
・・・もう何度も体を重ねているのに、やはりこの瞬間は体が委縮してしまう。
卓海はそんな絢乃を見、眉を顰めた。
「・・・おい、お前・・・」
「・・・・っ」
「前から思っていたが、なぜそんな目をする?」