蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
4.二人の未来
───2月上旬。
絢乃は卓海とともに、銀座にある喫茶店で向かい合って座っていた。
絢乃の横には慧が座り、卓海の横には千尋が座っている。
あれから二人で日程を決め、今日、兄妹同士の顔合わせを行うこととなった。
しかしもう4人とも顔見知りなので、ただのお茶会という雰囲気になっている。
ちなみに卓海の両親と姉には1月に挨拶済だ。
「・・・で? 入籍はいつになる予定ですの?」
千尋は長い髪を揺らし、斜め向かいに座った絢乃を見る。
絢乃はうーんと首を傾げ、口を開いた。
「今のところは5月の中旬あたりを予定してるかな。式とか、いろいろ兼ね合いもあるし・・・」
「詳しい日程は決まったらまた連絡する」
卓海は自分前に置かれたコーヒーを一口飲み、言う。
一応顔合わせなので、4人ともスーツに準じたそれなりの格好をしている。
卓海はストライプのワイシャツに黒ストライプの細身のスーツという姿で、相変わらず格好いい。
卓海の横で、千尋もコーヒーを一口飲み、口を開いた。