蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
「アヤ、耐えられなくなったらおれに言うんだよ? おれがどうにかしてやるから」
「・・・どうにか、って?」
「具体的な方法はお前には言いたくないんだけど。ま、おれもそれなりに武器は持ってるからね。鬼の一匹や二匹、さくっと退治してあげるよ?」
慧はにこりと笑って言う。
絢乃はなぜかうすら寒いものを感じ、背筋を固まらせた。
───その言葉の真意が見えないのがなんだか恐ろしい。
しかしそれは最終手段だろう。
まずはなんとか頑張ってみるしかない。
絢乃はため息をつき、テーブルに置かれたコーヒーを一口飲んだ。