蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
───見ると。
いつもと違う、熱を帯びた真剣な目が絢乃をじっと見つめている。
その茶色がかった二重の瞳に、絢乃は吸い込まれるような気がした。
「ね、絢乃・・・」
「・・・」
「───景色なんて、見てる余裕はないよ。オレは君だけを見ていたい。君だけを見つめていたいんだ」
「・・・・っ」
「ほら・・・、オレを見て?」
卓海はその美しい瞳を細め、絢乃をくいいるように見つめる。
・・・その瞳に溢れる、艶。
止まることなく流れ出る色艶が、観覧車の中の体感温度を上げていく。
卓海はさらに絢乃の肩を抱き寄せ、もう片方の手でそっと絢乃の顎を掴んだ。
くいっと絢乃の顔を自分の方に向け、唇が触れるかというところまで顔を近づける。