蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
10分後。
絢乃は慧が横たわったベッドの横で、事の顛末を説明した。
項垂れた絢乃に、慧は体温計を脇に挟みながら、掠れた声で言う。
「なに・・・何しにくるの、あいつ・・・」
「・・・さあ・・・」
絢乃は縮こまり、慧を見た。
慧の熱は朝方には37℃まで下がっていたが、また少し上がってきたらしい。
今の話でまた熱が上がらなければいいけどと心配する絢乃に、慧は呟くように言う。
「こんなことなら・・・虎挟みでも仕掛けておけばよかった・・・いや、猟銃の方が確実かな・・・」
「・・・」
「日本の銃刀法って、許可がないと武器を所有することはできないんだよね・・・。こんなことなら、許可もらっておけば良かったかな・・・」
許可をもらって一体何のために何を所有したいのか、激しく気になる。
しかし、そんなところで法律の知識を使わなくても・・・
と絢乃が思った時、体温計がピーっと鳴った。
慧の脇から引き抜いて確認すると・・・。