蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~



「そんなこと、加納さんには・・・っ」

「関係ねぇ、か。・・・お前のその言葉も、いい加減聞き飽きたよ」


言葉とともに。

卓海の唇が、絢乃の唇に強引に重なる。

・・・絢乃の全てを奪おうとするような、激しい口づけ。

卓海の舌が唇の隙間から捻じ込まれ、絢乃の舌を捕らえて蹂躙する。

絢乃は目を見開いたまま卓海の唇を受け止めていたが、やがてはっと我に返り、シートベルトを外してドンと卓海の肩を突き飛ばした。


「・・・っ!」


そのままバッグをひっ掴み、助手席から降りようとドアの取っ手に手を掛ける。

しかしそんな絢乃の腰に卓海の腕が素早く回り、ぐいと強引に引き寄せる。

はっと振り仰いだ絢乃の目に、卓海の瞳が映る。

───熱情と怒り、そして切なさに満ちた、その美しい瞳。

卓海はくすりと笑い、じっと絢乃を見下ろした。


「・・・逃がさねぇよ?」

「・・・っ!」


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