蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
これからも、これまでと同じようにすればいいだけのことだ。
割り切って、仕事と思って淡々とこなしていけばいい。
・・・そう思うのに・・・。
胸に広がる不安と・・・そして、切なさ。
この切なさの理由に、絢乃はなんとなく気付いていた。
けれどそれに正面から向き合ってしまうと、きっと、逃げることができなくなる・・。
───何も、考えなければいい。
あと一か月、卓海の言うとおりにして乗り切ってしまえばいい。
そして、忘れてしまえばいい・・・。
絢乃は決心し、パタンと携帯を閉じた。