蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
「データベースの移行、か。まずやるべきはRFPの作成だね」
「・・・RFP?」
「そ。『こんなデータベースにしたい』っていうのをまとめた提案依頼書のこと。RFPができたら、それを数社の業者に渡す。そして相見積する」
「へぇ~・・・」
絢乃はなるほどと頷き、慧の話を聞いていた。
慧は個人事業主として様々な仕事を受けているため、こういった部分の知識も豊富だ。
「相見積の結果、ここぞという業者に決まったら、正式な見積書を提出させる。で、社内の稟議を経て、注文書を渡す。ざっくり言うとこんな感じかな?」
「・・・なるほど」
「細かい手順は会社によって違うから、事前に確認した方がいいけどね? 業者によっては、事前契約とか必要な場合があるからね~」
「ふむふむ・・・」
絢乃は近くにあったメモ用紙とペンを手元に引き寄せた。
慧に言われたことを参考に、まずはRFPの作成から始めるのがいいかもしれない。
絢乃は慧に感謝しながら、メモ用紙に言われたことをカリカリと書いていった。