蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
5.初めての願い
翌日。
絢乃は朝イチで卓海にメールを送った。
昼休みに1Fのロビーで会いたい、という内容だ。
・・・返事はすぐに来た。
了解、という内容に絢乃はほっとする半面、胸の奥がキュッと痛むのを感じた。
・・・うまく伝えられるだろうか。
けれどもう、これ以上は耐えられない・・・。
絢乃は沈鬱な気持ちで午前の仕事を終え、昼休みになると同時に1Fのロビーへと向かった。
昼休みのロビーは外で昼食を食べる人たちが行き来しており、それなりに人が多い。
絢乃はロビーに置かれたソファーに座り、卓海を待っていた。
やがて卓海がエレベーターホールに姿を現し、絢乃はソファーから立ち上がった。
卓海は絢乃の前に歩み寄り、絢乃を見下ろして言う。