蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
澤田はぽかんと首を傾げた。
・・・そりゃそうだ。
しかしどう言えばいいのかわからない。
焦る絢乃の前で、しかし澤田は何かに合点したかのようにポンと手を叩いた。
「ほう、そうか! ・・・ついにお前も結婚か?」
「・・・へ?」
「お前ももう適齢期だからな。いつそういう話があってもおかしくないとは思っていたが。そうか~。おめでとう、秋月!」
澤田はうんうんと頷きながら言う。
絢乃はヒィと仰け反った。
・・・なんかとんでもない誤解をされている。
絢乃は慌てて口を開いた。
「あ、あの・・・っ」
「なるほどな。確かに情報システム部は忙しい部署だからな~。もうちょっと仕事がラクな部署の方がいいか?」