蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~



澤田はぽかんと首を傾げた。

・・・そりゃそうだ。

しかしどう言えばいいのかわからない。

焦る絢乃の前で、しかし澤田は何かに合点したかのようにポンと手を叩いた。


「ほう、そうか! ・・・ついにお前も結婚か?」

「・・・へ?」

「お前ももう適齢期だからな。いつそういう話があってもおかしくないとは思っていたが。そうか~。おめでとう、秋月!」


澤田はうんうんと頷きながら言う。

絢乃はヒィと仰け反った。

・・・なんかとんでもない誤解をされている。

絢乃は慌てて口を開いた。


「あ、あの・・・っ」

「なるほどな。確かに情報システム部は忙しい部署だからな~。もうちょっと仕事がラクな部署の方がいいか?」


< 96 / 190 >

この作品をシェア

pagetop