求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
「えっ、と…それは、」
彩乃は自分の顔が真っ赤なのがわかった。
「ほら、どっちにする?俺としては翔哉がいいなぁ」
ニコニコしながら言ってくる滝沢、彩乃は恥ずかしかったが呼ばずには済まされない雰囲気に負け、声を出した。
「じゃ、あ…えっと…し、しょう、やさん…」
「さんはしいらないよ、はい、もう一回!」
意地悪なことをいいながら楽しそうにしている、滝沢を睨んでから目を閉じて気持ちを落ち着けた。
「し、翔、哉、よろしく、ね?」
言われた通りに呼ぶと、照れ隠しに直ぐ、紅茶を飲んで誤魔化した。
呼ばれた翔哉は、『よろしく、ね?』まで言ってくれた彩乃に照れた笑顔を向けていた、その瞳は優しさと愛しさに溢れていた。