求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
しまった!という風な顔をみせ、誤魔化すように照れ笑いする彩乃、そんな顔に俺の理性は試されている気がした。
「ほんと、美味しかった、ありがとう」
満腹感いっぱいでそう話すと嬉しそうに微笑む彩乃。
「しょお~こぇしゅるぅ?」
足を引っ張りながら何かを見せてくる紗彩をみる。
何かの人形を俺に見せるように持ち上げている。
「さあやちゃん、それはなにちゃんかな?」
椅子からおりて床に直接座り込み紗彩に話しかけてみた。
「こぇはぁ~あぁたん!!」
今度は聞き取ることができた。
「あぁちゃんね、可愛いね」
「んふふぅ~」
俺が誉めると溢れそう、って表現がぴったりなくらいの笑顔で人形を抱き締めている。
その笑顔が嬉しかった。