求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
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7月の3週目の日曜、紗彩の保育園で保護者を招いての小さな夏祭りが行われた。
まだ、二歳にならない紗彩はなんにもお店番をしないので雰囲気を味わいに行ってみることにした。
スーパーボールすくいやくじ引きのお店、かき氷や焼きそばなどもあり、食べ物でない店には来年は小学生になる歳の児童達が可愛らしく「いらっしゃいませぇ~」と売り子をしていた。
「ま、まぁ、あえぇ…」紗彩がスーパーボールの入った大きめのビニールプールを指差した。
「紗彩、あれ、欲しいの?」しゃがんで自分の膝に座らせながら聞いてみると「ん、ん、あぇぇ~」とニコニコだ。
「よしっ!取るよぉ~」と意気込んだが…結果は最初からもらえる三個だけ…救いは紗彩が好きな赤色が貰えたこと。