求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
それでも、ビニールの袋に入れられたボールを嬉しそうにフリフリしながら眺めてる。
八時を過ぎて保育園で先生に挨拶をして、家に帰る。
人波に疲れたのか、暑さからか、抱っこしていた紗彩は眠ってしまった。
肩にかけていたバッグの中で着信を知らせるようにバイブレーションが震えた気がしたが取ることは出来ないから、あとから掛けなおすのを忘れないようにと思いながら少し急ぎ足になった。
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ようやく一段落し確認すると、着信は翔哉さんからだった。
掛けなおすべきか…
でも、今の私には話すことはない。
でも…何かあったのだろうか、気になって仕方がなかった。
しばらく手の中の携帯を眺めていた。
自分の心がはっきりしないモヤモヤ感はますます強くなるばかり。