求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


しばらくしてメイクの女性が「リリアさん…たとそっと崩れ落ち泣いているリリアを抱き起こしその場から連れ出した。



俺は、ようやくホッとした。



だが、このままでは同じことが起こるかも…と思い直し慌てて追いかける。




「リリアっ…お前の気持ちには答えられないんだ…すまない…もう、これ以上は止めてくれないか?」後ろからそう呼び掛ける。



立ち止まり「……ふっ…あたしこそ、もう、願い下げ…だわ…」かすれた声で最後の強がりなセリフを俺に投げつけ振り返らず去っていった。



あぁ…これで今度こそ大丈夫だろうと、ふっと息を吐く。




周りの人々も今のことは見なかった…ことにしたいのか、何でもないようにして自分の仕事に戻っていった。




俺は、恥ずかしさも申し訳なさもあったが、「お先に失礼しますっ」と声をかけ、その場を後にした。


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