求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
「誕生日は…?」思わず聞いてしまった。
「俺の?」頷いて返事をする彩乃。
「あの日は仕事終わりに誘われてスタッフ達とじゃなかったかなぁ…で、なんでか、そこにリリアがいた、なぁ」「じゃぁ、二人きりでお祝いって…」「全く違うな、で、何だかいろいろ言われて、彩乃の仕事先を聞かれて…そうだっ、あいつに何か嫌がらせ、されたんじゃないか?」
「い、嫌がらせは、ないです…ただ…」「ただ…?」「二人を邪魔するなって感じで…」「だぁ~っ!!そんな余計なことを…ごめんなぁ、俺さぁ、あんまりしつこくてさ、疲れてて、ついポロっと勤め先をいっちゃったんだ…本当にごめんなさい…そんな風に言われたらいやになるよなぁ…」
翔哉は頭を抱えながらダイニングテーブルに額を着けてうなだれていた。