求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
「彩乃、それは、俺のことが、気になってきてるって…思っていい、んだよな?」
「私の気持ちは、こんな風に急かされて、皆さんの前でささっと言うのは嫌なんです。もうしばらく時間を下さい…ごめんなさい。」にっこりと笑いながらもしっかりと言い切った彩乃を見つめた。
「そうか、、よしっ、二人の関係は、友人以上ではあっても、それ以上ではない、後は翔哉のアプローチ中ってことで、それ以上は言わないでおこう。事務所としては成人した大人の恋愛に制限をしていないことを付け加えておくか…」
社長がそうまとめたことで会見の方針も決まり、彩乃が俺を意識し初めていることもわかり、今回の騒動で初めて、嬉しくなった。
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彩乃を記者に見つからないように、刑事の村田さんと一緒に送り出し、俺達は記者会見場に向かうことにした。
彩乃のマンション・実家の最寄り駅からは7駅、俺のマンションからは5駅離れた静かな街のビジネスホテルに宿泊することになった。