求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
世間での新春のセールなども終わり、日常に戻る…という連休明け、事が大きく動いた。
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仕事が終わり、六時頃実家へと帰宅中、街中から住宅街に入り人通りも少なくなった道端で男性に声をかけられた。
「七谷さん…僕のこと、覚えてますか?」それは約一年前に辞めた大学生だった。
彩乃のすぐ近くに潜んでいた警官の村田が素早く二人の間に立ちふさがる。
「あ…あなた、……もちろん、同僚として働いたんです、ちゃんと覚えてますよ、こんばんは、佐渡さん…」「僕… 前は遊びでいいなんていったけど、考え直したんです…それで、迎えに来たんです…あんな、チャラチャラした男なんてやめて…僕と、付き合いませんか?」
「それ、は…出来ません…ご好意は嬉しくも思いますが、私には佐渡さんを受け入れるという考えは…浮かびません…も…」「なんでですかっ!?」
村田の脇から腕をガシリと捕まれ、揺さぶられながら問い詰められる。