求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


村田は飛ばされたナイフを気にしながらも、一度つかみ損ねた女性の右腕をすぐさま、後ろ手にし、更には左手も拘束しようとする。



だが、その少しの気の迷いからか左手にさらなるナイフを掴んでいたのに気づくのが遅れた。



一方、ナイフを投げられた彩乃は怖さから足が止まってしまい、声も出せず…ただ、かろうじて頭を抱えながらしゃがみこんだ…その腕をナイフが切り裂き、カラン…地面に落ちていった。



既に彩乃の手から携帯は落ちて液晶画面は真っ暗になっていた。



「七谷さんっ!!大丈夫ですかっ!!」大声を出しながら何とか女性を拘束しようとしている村田。



逃れた左手のナイフを振り回し村田から逃れようとする女性。



切られた腕を押さえて地面に座り込む彩乃、冬だった事が幸いしたのか、コートは切られたが腕までは到達していないようだった。







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