求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


「私は大丈夫ですっ…でも、携帯が…」壊れた携帯をチラリとみやり、助けを呼ぶことが出来ないと落胆する。



女性は村田の手の甲や頬を切りつけ、逃れて座り込んだ彩乃の方へずんずんと近づき「後悔しろっ!!」と叫びナイフを振り上げたっ



一歩遅れた村田が後ろから女性の腰に腕を回して止めようとする…恐怖は感じたが目をそらせず見つめるとナイフは自分に向かわず…女性の胸にっ…無意識に彩乃は立ち上がり前から女性の体に抱きつく…ナイフは、そのまま、かばった彩乃の腕に深く…深く刺さっていく…




「っ…!!いっ……」「七谷さんっ!!」「邪魔よぉ~っ!!!!離してぇ~っ!!」…………



3人のそれぞれの声が重なりあい、辺りに響いた。



抜かれたナイフをさらに振り回し彩乃に切りつける女性…痛みに悶えてズルリと足元に崩れ落ちる彩乃…後ろに完全に回り込み両腕をようやく拘束、ナイフを地面に落とす村田。






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