求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
「なに…?言いたいことって…」
「うん…私…ね。」そこでまた、止まってしまう。
一度ふせたまぶたをまた、開けて俺の方を向いて深呼吸…「翔哉……す、き…っです…」直ぐに頭を下げて俯いてしまった。
『……?すきって、いった、か?』
急な告白に俺の頭のなかはパニックのようになり、言葉が何も出ない。
しばらく、数分か、二人で黙ったままなんとも言えない空気の中で過ごした。
ようやく、バクバクしていた鼓動が少しだけおさまり「彩乃?それ、ほんと?」なんとも、間抜けな質問をしていた。
彩乃は俯いていた頭を上げてちらっと目をあわせるとほんのり赤い顔で頷いた。
「そ、れは…恋愛の、すき、でいいんだよね?」また、バカな質問をする俺…でも、聞かずにはいられない。
「うん…恋愛感情です…まだ、遅くないですか?わたし、節操ない、嫌な女かな…」最後の方のは、自分に向かってか、小さく悲しげな声だった。