求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


右手でベビーカーをもつ。



「よしっ、次はイルカのショーだったな、行こうな、紗彩っ」と自分の声が弾んでいるのがわかる、でも、それでいいと思った。



ありのままの自分をさらけ出せる…そんな関係でいたいと思った。

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ショーを観て、遅めの食事をしているときにテーブルに近づいてきた人影。



見上げると女性が3名。



「ぷ、プライベートのとこっ、すみませんっ」思い切り頭を下げながら話す、1人。



「あ~……目立つから…手短に静かにお願いできますか…?」話しかけるなって雰囲気を出していたのに…と思いながらそう答える。



「っ…す、すみません…あ、えっと、ずっと、ファン、でした、あの、おめでとう…ございますっ…お、お幸せ…に」そういってくれたファンに驚きながら「ありがとう…」と答えた。



「そ、それだけ、言いたかったのでっ、し、失礼しましたっ!」頭を下げたと思ったら友人の腕を掴み、去っていった。






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