求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
「はい……確かに受け付けました、訂正箇所等ごさいませんでしたので、この受理により婚姻成立です、おめでとうございます。」提出し、チェックされ、一度呼ばれ、また、待たされ……ようやくそう言われた。
「ありがとうございます」二人揃って言うと、どこからともなく、拍手が起きた。
パチパチパチパチ……ぐるりと見渡すと数人の職員と窓口付近にいた年配の女性ら数名が温かい眼差しで俺と彩乃を祝福してくれていた。
もう一度「ありがとうございます」と周りを見ながら言って、照れ笑いしながら役所をでた。
車まで無言で手を繋ぎながら歩く。
助手席のドアを開けてやり、二人でシートに座る。
「ふぅ~……」どちらからともなくため息をつく。
「夫婦、だな……」「だ、ね?」
そう言って見つめ合う。
自然と微笑み合う。
幸せの瞬間。