求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
それから、幸太は彩乃を好きになった様子で、何回も食事や映画に誘われ、初めて会ったときから3ヶ月が過ぎた頃、プロポーズされたのだ。
彩乃も優しい幸太といると穏やかな気持ちになり、安心できて、これが好きってことなのかなぁ~なんて思いながら、でも決定的な言葉もないまま誘われるままにでかけていた。
春の桜を楽しんでいると、幸太が落ち着きがないように感じた。
「幸太さん、何か心配事でもあるんですか?」
6つ年上の幸太にはまだ敬語だった。
「っ!いや!ない、よ。うん、大丈夫」
急に心配されて慌ててしまったが、今なんじゃないかと思った幸太は彩乃に向き直り、一度深呼吸をした。