求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
お付き合いしてください、ではなく、結婚してくださいとは………さすがに彩乃も驚きを隠せなかった…。
幸太の中では、彼氏彼女としてのデートを繰り返しての今日を迎えたつもりだった、自分が好きだ、という気持ちを伝えていないなどとは思ってもいなかったのだ。
「…え、と…私と幸太さんは恋人、だったん、ですか、ね?」
なんとも変な質問を返してしまったが、好きとも付き合ってとも、この3ヶ月言われた記憶がない彩乃は聞かずにはいられなかった。
「…へっ?…えっ?あれ…おれ、」
下げていた頭をあげて、彩乃を見つめれば、嫌がってはいないが、困り顔の彼女が首を少し傾けながら、自分の言葉を待っていた。