求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
「ぅわぁ~……」
くるっと後ろを向きながら何やらぶつぶつと言っていたが、また、くるっとこちらに向き直り小箱を持ったまま彩乃の両手ごとそっと握りしめた。
「彩乃ちゃん、ごめん、おれ…すっかり気持ちを伝えて上手くいってるって勝手に勘違いして…あ、彩乃ちゃん、俺は彩乃ちゃんが好きです!!結婚したい。彩乃ちゃんは、お、れをどう思ってる?」
彩乃は、ストレートに言ってくれた言葉が素直に嬉しく、こんな告白したつもりだったなんて、抜けてるところも、温かさも好きだなぁと感じた。
結婚を今まで真剣に考えた事はなかったが、幸太となら、安らぎのある優しい家庭が築けると思った彩乃はニコリと笑顔で幸太をみつめた。
「私も幸太さん好きです…私でよければ宜しくお願いします……」