求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
「…ヤッタァ!!!!」
喜びながら握っていた手を離して今度はギュッと抱きしめてきた。
「……幸太さん、恥ずかしい…です…」
紅くなりながら俯くと、慌ててパッと離して謝る。
「ご、ごめんな、彩乃ちゃん、嬉しくてつい、さ。あっ、左手、左手薬指だして?」
そう言って小箱をあけて、中から小さいけれど彩乃にとてもよく似合うハートをモチーフにしたエンゲージリングを取り出し、そっと指にはめてくれた。
サイズは教えていないはずなのにピッタリで彩乃をまた驚かせた。
「どうして?サイズ…わかったの?」
「えへへっ、実はさ、野中から彩乃ちゃんの同僚に聞いてもらったんだ、ごめんな?」