求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


「…ヤッタァ!!!!」



喜びながら握っていた手を離して今度はギュッと抱きしめてきた。



「……幸太さん、恥ずかしい…です…」



紅くなりながら俯くと、慌ててパッと離して謝る。



「ご、ごめんな、彩乃ちゃん、嬉しくてつい、さ。あっ、左手、左手薬指だして?」



そう言って小箱をあけて、中から小さいけれど彩乃にとてもよく似合うハートをモチーフにしたエンゲージリングを取り出し、そっと指にはめてくれた。



サイズは教えていないはずなのにピッタリで彩乃をまた驚かせた。



「どうして?サイズ…わかったの?」



「えへへっ、実はさ、野中から彩乃ちゃんの同僚に聞いてもらったんだ、ごめんな?」





< 34 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop