求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
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正月を迎え、紗彩はどんどん歩けるようになり、言葉も保育園に通っているからか、いろいろと話すようになって、彩乃は嬉しかった。
彩乃は貧血気味のまま、少し痩せた身体で日々を頑張って過ごし、紗彩と一緒の時間をなるべく作り、イライラしないように自分を抑えていた。
そんなとき、商品の誤注文が発生し、大学アルバイトの男性が、その発注を彩乃がしていた、自分は手伝うと言ったが断られたと話した。
「私は、この注文は打ち込んでいません!この日は伝票や発注作業はしてないんです!」
自分ではないと説明しながら、最近の忙しさからイライラし、言い様のない気持ちが溢れてしまいそうだった。
いくらパートとは言え、社会人として会社での事務を経験している彩乃がしたミスと考えるのには無理のあるお粗末な内容だった。