求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
「えぇ、もちろんですよぉ、今呼びましょうね」
サッと立ち上がり電話をし、「直ぐ来ますよぉ、何を言うか考えておいたほうがいいですよぉ」と言いながらまた目の前に座った。
芝居の時には感じたことのない、言い様のない緊張感が俺を包んだ…。
ほどなく、ノックの音に続き「七谷です、失礼致します」と、彼女が入ってきた。
軽く俺に会釈しながら、店長側に立ってあの優しく澄んだ声で話し出した。
「七谷です、どのようなお話しでしょうか、お邪魔ではないのですか?」
「来てくれてありがと。店内は大丈夫ね?実はね、滝沢さんと少しお話しさせて貰ってたらどうやら彩乃ちゃんにご用みたいでね、そうですよね?滝沢さん♪」