求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
店長の怪しい微笑みを受けながら、こちらに向いた彼女にまずは何を言うべきか…迷っていると…
「あっ!昨日の名刺のお話しですよね?申し訳ありませんでした、先程、滝沢様が著名な方とわかり、気がつかなかったとは言え、あの場で簡単に受け取ってしまいご迷惑をかけてしまいました。わざわざ取りに来てくださりありがとうございます。」
と、マネージャーの豊が渡した名刺を、この件以外、俺の来店は有り得ないとばかりに、すらすらと話し差し出した彼女に、何とも言い様のない苛立ちを感じた。
店長は面白いものを見る目でニコニコして成り行きを見守るだけ…彼女の中に、俺が感じているほどの知りたいとかいう感情がないのが悔しくてどうしてやろうか…考えた。