天神学園高等部の奇怪な面々33
喜屋武は渋々立ち上がる。

「わかりました…それじゃあ試してみます…」

「そうよ、それでいいの。はぁ…やっと元の世界に帰れるわ」

腕組みして満足そうに安堵の息をつく美奈子。

そんな彼女の前で、喜屋武は魔術の行使を開始する。

…同じ術者のアリーシェと冬は、不安そうにそれを見つめる。

何故って、喜屋武の魔術の行使する姿は見るからにたどたどしい。

例えるなら、料理教室に通い始めた女の子が、ピーラー使えばいいのに無理して包丁でジャガイモの皮を剥いている感じか。

今にも手を切りそう感抜群だ。

< 118 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop