天神学園高等部の奇怪な面々33
「アリーシェさん…」

実は、アンドロイドたるアンは、どこもかしこも人工な中、唯一『脳』だけは生身の人間のものが使われているが、ほぼ機能はしておらず、脳死状態だ。

だが、メチャクチャ言っているようでいて、アンを失いたくないアリーシェの強い気持ちによって、その脳死状態の筈の脳に…いや、冷たくかたい機械の中に、熱い想いが伝わってくるかのようだった。

「わかりました…自爆プログラム、実行中止…」

「よし♪」

満面の笑みを浮かべるアリーシェ。

「で、でもシロモゲラはどうするんですかっ!」

拓斗がアワワッとなる。

今にも豪邸を叩き壊してしまいそうなほど興奮している大怪獣。

それに対し。

「私の『欲望』の魔法に任せて」

アリーシェは不敵に笑った。

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